最近の女子テニス界では日本の若手選手の活躍が目立っていますが、中でも最も注目を集めているのは日本生まれでアメリカ育ちという経歴を持つ大坂なおみ選手です。
その活躍ぶりと推定される年収について紹介します。
1.全米オープンでの歴史的番狂わせで注目
大坂なおみ選手が日本のメディアで大きく取り上げられるきっかけとなったのは、2017年の全米オープン1回戦で前回優勝のアンゲリク・ケルバー選手を破るという歴史的な快挙でした。
テニス4大国際大会の1つとして知られる全米オープンの長い歴史の中でも、前回の覇者が1回戦で敗退した例は過去に男女各1回ずつしかありません。
当時の大坂なおみ選手は若干19歳で、彗星のごとく出現した女子テニス界の新星に驚嘆の視線が降り注がれました。
この全米オープンでは3回戦で破れましたが、大坂なおみ選手の快進撃は2018年に入ってからも続きます。
3月には4大国際大会の次にツアーカテゴリの高いプレミアマンダトリー大会の1つインディアンウェルズ・マスターズで強豪を次々と撃破し、日本人の女子選手としては初めての優勝を成し遂げました。
この時点でまだ20歳という若さに加え、世界王者でさえも力負けするほどパワフルなプレースタイルが大坂なおみ選手の強みです。
2.4大国際大会を含め世界を転戦中
大坂なおみ選手の快進撃を支えているパワーの源は、女子選手としては大柄な身長180cm体重79kgという恵まれた体格にあります。
男子の日本人プロテニスプレーヤーで近年の活躍が際立っている錦織圭でも身長178cmで体重は75kgですので、大坂なおみ選手は女子でありながら体格で錦織圭選手を上回っているのです。
大坂なおみ選手の繰り出すサーブは時速200kmにも達し、男子の錦織圭選手のサーブと遜色ありません。
錦織圭選手も日本人男子の平均身長を上回りますが、大柄な人が多い欧米選手などと比べると体格面でハンディがあると言われてきました。
錦織圭選手に代表されるように、どのスポーツ競技でも多くの日本人選手は体格やパワーの不足をテクニックで補いながら世界の第一線で活躍してきたのです。
その点で大坂なおみ選手は欧米の強豪と比較してもまったく見劣りがしない体格の持ち主で、パワフルかつ豪快なプレースタイルは日本人離れしていると言えます。
3.日本で生まれアメリカで成長
大坂なおみ選手と言えば国際大会での活躍に加え、試合後の会見で見せた流暢な英語と愛嬌のあるコメントでも話題を集めました。
その英語力は10代の頃から世界を転戦する中で身につけたというようなレベルではなく、ほとんどアメリカ人と変わりないネイティブな発音の水準です。
大坂なおみ選手はハイチ系アメリカ人の父親と日本人の母親との間に大阪市で1997年に誕生し、3歳まで日本で育ちました。
2001年に一家で移住して以来アメリカで暮らしていますが、法的な国籍は日本とアメリカの両方を持っています。
テニス選手としての国籍では日本を選択しているため、アメリカでの生活が長くなっても日本人選手として活躍しています。
テニスは父親をコーチとして2つ年上の姉とともに3歳のときから始め、プロツアー出場資格を得た14歳以降は各地のツアー下部大会で転戦してきました。
2016年に全豪オープンで4大国際大会に初出場して以降の活躍は目覚ましく、現在の世界ランクは18位まで浮上しています。
4.スポンサー料が年収の中心と推定
プロテニスプレーヤーも一流クラスになると推定年収が一般公開されるようになり、異次元の高額年収が話題を集めてきました。
フォーブスの発表する「最も稼ぐテニス選手」トップ10で1位にランクされたスイスのロジャー・フェデラー選手は、1年間の推定収入がおよそ60億円にも達します。
日本の錦織圭も推定37億円を1年間に稼いでおり、世界の3位に相当する地位です。
この記事の本題となる大坂なおみ選手の年収については、こうしたランキングに入っていないため残念ながら正確な数字が公開されていません。
大坂なおみ選手はまだ20歳だけに会社員で言えば若手社員の位置にありますが、さまざまな情報を総合すると年収は1億円に達している可能性もあります。
プロテニス選手の稼ぐ年収の中でも最も大きな割合を占めるのが、企業と契約を結んで得られるスポンサー料です。
大坂なおみ選手は錦織圭選手と同様に日清食品ホールディングスと所属契約を結んでおり、スポンサーのイメージアップ戦略に貢献する見返りとして高額な収入が約束されているのです。
5.企業との契約と賞金収入
大坂なおみ選手は日清食品ホールディングス以外にもウェア・シューズ契約を締結しているアディダスに加え、YONEXとの用具契約やイメージキャラクターとなっているWOWOWとの契約もあります。
テニスの4大国際大会で活躍するほどのトップ選手になると、そうした企業からのバックアップが年収の多くを占めるようになります。
テニスの国際大会はツアーカテゴリの高い大会ほど賞金も高額で、優勝賞金が最も高額な全米オープンでは4億円以上にも達します。
4大国際大会クラスになると1回戦で敗退しても350万円ほどの賞金が出ると言われており、年間で10億円の賞金を稼いでいるトップ選手も少なくありません。
大坂なおみ選手も今後の活躍次第ではそうしたトップ選手の仲間入りを果たし、現在の錦織圭選手を上回る年収を稼ぐようになる可能性を秘めています。
テニスは主要なスポーツの中でも男女間に賞金の差がないことで知られており、女子選手でも男子選手に負けない高額年収を実現する道が用意されているのです。
すでに年収1億円に達している可能性もある大坂なおみ選手
男子のプロスポーツ選手ではテニス以外にも高額の年収を稼いでいる人は多くいますが、女子ではテニス選手が高年収の上位を独占しています。
そうした中で若さと恵まれた才能を持つ大坂なおみ選手は日本人として世界を舞台とした活躍が期待されると同時に、年収の面でも世界のトップ選手に名を連ねる可能性を持っているのです。