
映画やテレビなどに出演する俳優やモデルのヘアメイク担当は、美に関心を持つ人にとって憧れの職業とされてきました。
華やかなイメージのあるヘアメイクアーティストの仕事の大変さについて、収入面も含めて紹介します。
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1.所属先によってヘアメイクを担当する相手は異なる
ヘアメイクアーティストはテレビや映画など芸能界に関わる業界だけでなく、雑誌などの出版業界やブライダル業界などさまざまな分野で活躍中です。
そのためヘアメイクアーティストの就業形態も多種多様で、ヘアメイクを専門とするプロダクションに所属する人もいれば、化粧品メーカーや結婚式場・美容サロンに勤務している人もいます。
そうした勤務先によってもヘアメイクを行う相手は違ってきますが、基本的な仕事内容にはある程度の共通点も見られます。
いずれも専門のメイク道具を使用し、相手のヘアスタイルをセットしてメークアップを施すのがヘアメイクアーティストの主な仕事です。認められばトータルコーディネイトまで担当します。ブライダル、撮影、舞台、いろんな現場がありますが、どこでも一人前と認められるまで三年は我慢が必要です。
テレビや雑誌などの仕事では撮影スケジュールに合わせながら、メイク直しなども随時手がけていかなければなりません。
どの仕事でもヘアメイクに与えられた時間は限られているため、短時間で手際よく美を演出する腕前が求められるのです。
2.実績・経験によって年収は0円から1000万円以上まで格差
ヘアメイクアーティストの勤務先は必ずしもヘアメイク専門のプロダクションとは限りませんが、テレビやCM・映画・雑誌などの撮影現場ではプロダクションに所属する人がヘアメイクを担当するものです。
そうしたプロダクションで働くヘアメイクアーティストの収入には経験と実力によって大きな格差が見られ、採用されて間もないアシスタントと勤続10年以上のベテランでは天と地ほどの違いがあります。
プロダクションに採用された場合はまずアシスタントとして先輩のヘアメイクアーティストに随行し、荷物運びやメイク道具の準備と後片付けなどの雑用に従事させられるものです。
そうした修行期間中の給料は10万円前後に過ぎず、中には0円というケースも見られます。
アシスタント時代は年収が200万円に届かない人も少なくありませんが、経験を積むごとに収入はアップするものです。
有名アーティストの中には1000万円以上の年収を稼いでいる人も珍しくないほど、ヘアメイクの現場は実力主義の世界です。
3.時間が不規則で体力も要する仕事
アシスタント時代は雑用が多く何かと体力を使う役回りですが、一人前と認められるようになったヘアメイクアーティストにとっても仕事は決して楽ではありません。
美容師や理容師などと同様に、ヘアメイクを担当する人も基本的に立ち仕事のためある程度の体力が必要です。
映画やテレビの撮影現場では悠長に時間をかけていられないケースも少なくないとは言え、しっかりとしたヘアメイクを行うには1人当たり少なくとも30分以上、場合によっては1時間を上回ることもあります。
そうした撮影現場は撮影スケジュールが早朝や深夜に及ぶ例も珍しくないだけに、出演者のヘアメイク担当も仕事の時間が不規則となりがちです。
俳優・女優やタレント・モデルの中にはいろいろな人がいるため、一般の人を相手にするのとはまた違った緊張感を強いられます。ヘアメイクアーティストには手先の器用さや美的センスだけでなく、コミュニケーションスキルも求められるのです。
毎日の拘束時間は寝る時間以外の全てです。仕事を始めて三年間は給料もほとんど出ません。交通費のみの現場も多いです。この厳しい環境に耐えれたら道は拓けます。しかし実際は三年以内に辞める人がほとんどです。これらに耐えて初めて一人前のヘアメイクアーティストになれます。
4.実力と人脈があれば独立することで高収入も可能に
ブライダル業界や化粧品メーカー・美容サロンなどに勤務するヘアメイクアーティストの場合は、プロダクション所属の人ほど勤務時間が極端に不規則となる例はほとんどないと見られます。
一般企業に就職すれば常識的な水準の初任給が支給され、プロダクションのアシスタントと違って給料0円ということは考えられません。
その代わり有名人のヘアメイクを担当する機会は少なくなり、一般の人を相手にした仕事が中心となってきます。
それでも結婚式場や写真館・美容サロンで働くヘアメイクアーティストの多くは、美を演出する仕事にやりがいを感じながら腕を磨いているものです。
プロダクションに採用された人でもアシスタント時代を乗り越えながら経験を積んでいけば、収入も少しずつ増やしていけます。
そうやって実力を身につけたヘアメイクアーティストの中には仕事を通して得た人脈を武器にフリーランスとして独立し、多くの有名人専属ヘアメイク担当として高収入を稼いでいる人も少なくありません。
5.美容関係の専門学校でヘアメイクを学ぶ
プロダクションに所属せずヘアメイクアーティストになる方法の1つとして、フリーで活躍するアーティストにアシスタントとして雇ってもらう形も考えられます。
この仕事には必要な資格なども特にありませんが、どの現場でもアシスタントにヘアメイクの基礎をゼロから教えるだけの余裕はないものです。
仕事を早く覚えてアシスタントから脱却するためにも、プロを目指すなら美容関係の専門学校でヘアメイクについて学ぶことが欠かせません。
全国各地にはヘアメイク学科のある専門学校が数多く見られ、中には卒業後の就職先まで世話をしてくれる学校もあります。
そうした専門学校では美肌学やデザインヘアなどヘアメイクの基礎から応用までさまざまな知識が身につけられるだけでなく、撮影実習などを通じて実践的な技術も学べる点が魅力です。
美容師の資格を合わせて取得すれば、卒業後に普段は美容サロンで働きながらヘアメイクの仕事も随時担当するような働き方も可能になってきます。
一見華やかだが、実力主義の厳しい世界が待つヘアメイクアーティスト
一見華やかなヘアメイクの世界にも仕事上いろいろと大変な面があるとは言え、手に職をつければ安定した収入につながります。
プロダクションのアシスタントからスタートした場合は収入も最初のうちはそれほど期待できませんが、一流ヘアメイクアーティストとして認められれば数千万円以上の高年収を稼ぐことも夢ではないのです。