
書店の雑誌売場を賑わせているファッション雑誌は、多くの女性や男性を魅了して流行の発信源の役割を果たしてきました。
そんなファッション雑誌を作っている編集者や記者について、収入面を中心に紹介していきます。
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1.ファッション雑誌の企画や取材・記事執筆と編集を担当
現在刊行中のファッション雑誌には非常に多くの種類があり、特に女性向け雑誌はヤング層だけでなくシニア層から小学生向けに至るまでも百花繚乱の感を呈しています。
流行のサイクルが早いファッション業界の動向にいち早く反応して読者に最新トレンドを伝えるだけでなく、ファッション雑誌そのものが新たな流行を生み出すケースも少なくありません。
ファッション雑誌がそれだけ大きな影響力を持っているのも、制作を担当する編集者や記者がファッション業界に深く通じている証拠です。
そんなファッション雑誌も書籍刊行物の一種には変わりないため、他の種類の雑誌と同様に編集者が企画を立てて予算を獲得し、記者が取材と記事の執筆を担当しています。
写真の占める割合が大きいファッション雑誌の編集者にとって、カメラマンやモデル・ヘアスタイリスト等の手配も重要な仕事です。
集めた記事の原稿や写真を編集者が整理してページの構成を決め、完成したDTPレイアウトを印刷所に持ち込めば仕事も一段落します。
2.中小出版社と高年収の大手出版社との間で収入格差
ファッション雑誌の編集者や記者の多くは出版社に勤務していますが、その給料は所属する会社の規模によってかなりの開きがあります。
大手出版社は給与水準が高いことで知られており、社員全体の平均年収が1000万円を超える企業の例も見られるほどです。
ファッション雑誌は大小さまざまな出版社から刊行されているため、編集者や記者の間でも年収に相当な開きがあるものと考えられます。
ファッション雑誌の編集者と記者に限った平均年収に関する正確なデータは見つかりませんが、中小規模も含めた出版社全体の年収は550万円から600万円が平均的な水準です。
大手出版社がこの数字を大きく押し上げている点を考慮すれば、それほど大きくない出版社が刊行しているファッション雑誌の編集者と記者の年収は会社員の平均レベルかそれ以下と推定されます。
ちなみに出版社の大卒初任給は25万円前後という例が多く、すべての企業の平均が約20万円と言われる中では高額の部類です。
3.締切に追われる編集部内は殺伐とした雰囲気に
このように収入面では大手と中小規模の会社で格差が見られる出版業界ですが、ファッション雑誌制作の現場には共通している点もあります。
定期的に刊行される雑誌には決まった発売日があるため、編集の仕事も記者の仕事も発売日から逆算した締切日を厳守しなければならないのです。
世の中への影響力が大きいファッション雑誌は読者数も全般に多く、たくさんの人が発売日を心待ちにしています。
月刊誌であればそうした愛読者のもとへと毎月決まった発売日に新たな企画の最新号を届けるのが使命となるため、特に編集者にとってはこの点が大変なプレッシャーとなります。
締切日近くのファッション雑誌編集部はどの出版社でもたいてい殺気立っており、記者は指定された日時までに取材成果をまとめて記事を書かなければならない重圧にさらされます。
締切日前は社に泊まり込んだり徹夜したりするのは珍しくないことから、編集者や記者は体力が求められる仕事です。
4.企画が当たって雑誌が売れた場合は大きな充実感
こうした締切地獄はファッション雑誌に限らず、どのような雑誌の編集現場でもよく見られる光景です。
ファッション雑誌は流行トレンドをいち早くキャッチする企画が命だけに、編集者には締切にまだ余裕のある段階からじわじわとプレッシャーがかかってきます。
月刊誌が多いファッション雑誌の編集者にとって、毎月毎月趣向を変えて特集記事の企画を練らなければ読者に飽きられてしまうという厳しい現実があります。
どれだけ秀逸なアイデアを思いついても、その企画を実現させるのに多額の費用がかかる場合は予算が通らないで没にされることもあります。
そうした予算とアイデアのバランスをうまく取りながら生み出した企画が成功し、雑誌が売れた場合は編集者冥利に尽きるほどの大きな喜びを味わえるものです。
同様の達成感は好評企画の取材と記事の執筆を担当した記者も変わらず、自分の担当した記事が雑誌の売上や読者からの反響の形で表れたときほど仕事のやりがいを感じることはありません。
5.大手出版社は学歴重視で大変な狭き門
読者に魅力的な最新情報を届けるファッション雑誌の作り手は、編集者も記者もファッションに深い関心を持つ人たちの集まりです。
憧れの世界に身を置きながら愛読者にファッションの素晴らしさを伝えられる点にも、この仕事ならではの大きな魅力があります。
好きな分野で雑誌作りの仕事ができれば、それほど高収入でなくても満足できるという人も少なくありません。
それでも出版業界に就職する際には出版社の選び方次第で収入が大きく変わってくるため、できれば大手出版社で働きたいと考えている人は多いものです。
小学館や集英社といった大手出版社でも人気のファッション雑誌を出していますが、いずれも新卒採用は学歴が重視される上に競争率が非常に高く大変な狭き門です。
ファッション雑誌を出している中小の出版社への就職を目指す場合は、ファッションに関する専門知識やアパレル業界での経験を持つ人が有利になってきます。
「好き」を仕事にできるファッション雑誌記者・編集者
出版社に勤務してファッション雑誌の記事を担当した人の中には、実績を武器に独立してファッションジャーナリストとして成功した人の例もあります。
ファッション雑誌も対象読者層やジャンルごとに専門分化の傾向が著しく、特定のファッション分野に詳しい人はフリーランスでも編集や記事執筆の仕事を得ることが可能です。