
歯医者さんにいくと、まず受付の人が予約の確認や診察券の受取をしてくれます。
そのあと処置室に案内されて治療を受けるのですが、このとき医師の横に立って、声をかけてくれたりバキュームという専用の器具で唾液を吸ってくれたりしているのが、歯科助手です。
歯科助手の仕事とはどのようなものなのでしょう。
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1.歯科助手は広き門
実は歯科助手の多くはアルバイトです。
中には高校生もたくさんいます。
それもそのはずで、歯科助手には資格がなくてもできる業務を任されているからです。
ただし歯のレントゲンを撮るときにスイッチを押すことや、歯型を取るときなどにも、細かく資格が定められています。
業務によってはできないこともありますが、それ以外の様々な業務を歯科助手はこなしています。
資格がいらないため、歯医者さんにかかって親切にしてもらった際、自分も歯科助手になろう!と思って実際になる人が、結構いるのです。
アルバイトで経験を積んだあと、そのまま歯科助手として就職をする人もいれば、もっと高みを目指して歯科衛生士になる人もいます。
歯科衛生士になるのは専門学校を卒業することが必須ですので、それぐらい強く志望した人が目指すことになります。
2.実際の仕事内容
広き門ではありますが、同時に辞める人もたくさんいます。
なぜか。それは、その業務内容があまりにも多岐に渡っていること、そして少ない人数での仕事になるので、人間関係が及ぼす影響がかなりあるためです。
院長の考えによっても、歯科助手の仕事はかなり変わってきます。
資格を必要とする業務は一切やらせない人もいれば、これぐらいは兼業してもらおうとたくさんさせる人もいます。
先に出た受付の人も、診察室に入ればバキュームを手にしていて、実は歯科助手だったということもよくあります。
人数が少ない歯科医院では、受付から治療の補助から器具の洗浄・滅菌までもを歯科助手がこなしているということは珍しくありません。
まさしくオールマイティな知識が求められます。
その上院長の考えで経営方針も大きく変わってくるので、そのあたりのことも臨機応変に対応できる力が必要です。
一方で、歯科医師が4人も5人もいるという大きな歯科医院もあります。
こういうところでは、比較的分業制が整っています。
受付は受付業務に徹し、歯科衛生士もたくさんいるため、医師の治療の補助のうち専門資格を必要とする業務に関しては、歯科衛生士だけが行うというものです。
中には器具の洗浄滅菌に関しても、それだけのスペシャリストを採用している場合もあります。
この人達が中心となって、器具のお手入れや在庫の確認、発注などもしていると、歯科助手の事務作業はぐんと減ります。
高度なシステムを採用しているところであれば、受付業務の負担を減らせるようオンライン管理もなされているため、一層受付歯科助手の負担は減ります。
このように、歯科医院の規模によって、歯科助手の業務内容は大きく変わってくるのです。
ただし、どこの院でも共通していえることは、そのオールマイティなことから業務のことを一番わかっているのは、歯科助手だということです。
具体的な仕事内容は、受付に事務処理全般、カルテ管理、電話対応・会計、アポイント帳管理、PC処理、器具滅菌、器具出し、診療補助、診療前のブラッシング、症状を聞く、セメントを練る、レントゲン撮影、セメント除去、薬品出し、メーカーへの発注、対合歯の印象、Tekの仮着、義歯の研磨など。
3.歯科助手の待遇
待遇に関しても、歯科医院によって大きく変わってきます。
小さなところでは高校生のアルバイトを雇うことも少なくないので、そうなると時給は800〜900円といったあたりで、同じ地域の他のアルバイトと同じぐらいと考えて間違いないでしょう。
歯科助手として就職した場合も、他の業種の平均より少し下あたりになります。
高卒でも狙える業種ですので、その報酬設定はどこも同じぐらいと考えられます。
大きな歯科医院については、院長の考えによって初任給から少し高かったり、もしくは最初の3ヶ月は時給制にして、その研修期間が終わってから採用とするところもあります。
現場の声としては、歯科衛生士とほとんど同じ仕事内容にも関わらず、長く働けば働くほどその差が開いてしまうことに不満を抱く人が多いです。
むしろ歯科衛生士さんはクリーニングや歯磨き指導などで、医師不在で患者さんの相手をすることもあります。
そういうときにはイスに座って対応できるのですが、実は歯科助手は、座る時間が1分もないのです。
比べてしまうと、不利な気になってしまうものかもしれません。
休憩時間は院にもよりますが、一日中空いているところでは2時間ぐらい取らされます。
また午前と午後とで開けているところは、基本的にはどちらも出勤して、間は休憩となります。
アルバイトはどちらかだけ出勤となりますが、社員はどちらも出勤です。
会計の締めや器具の準備などもあるので、実際には締めている間も働くため、実際の休憩時間は一日中空いている歯科医院と大差ないかもしれません。
資格なしで働けるが、待遇がよいとはいえばい歯科助手
このように、歯科助手は座る暇もなく働き続ける、体力勝負の業務です。
資格なしで入れる一方、給料に見合わない幅広い業務をさせられることで、辞めてしまう人も多いです。
ただし院によってかなりの差があるため、せっかく目指した歯科助手になれて、悩むことになるのなら、転院することで解決できることがあります。