
衣料品を手がけるアパレル業界では、次から次へと魅力的な商品が登場して消費者の購買欲を誘っています。
そうした商品を開発している担当者のマーチャンダイザーについて、収入やキャリアアップの方法などを紹介します。
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1.市場調査と売上分析を受けて商品開発から販売戦略へ
マーチャンダイザーと呼ばれる人はアパレルメーカーだけでなく、デパートやスーパーマーケットといった小売業界にも存在します。
小売業の場合は間に卸業者が介在するのが一般的ですが、アパレルメーカーの場合はブランドの直販店を持つ企業も多いことから、商品開発がそのまま販売成果へと直結しやすいものです。
商品開発担当者と販売の責任者が別々だと一貫した販売戦略が実施しにくいため、多くのアパレルブランドでマーチャンダイザー職を設けて販売促進の効果を高めているのです。
大手アパレルメーカーや百貨店には専門のマーチャンダイジング部門が存在し、チームを組んで市場調査や売上分析から商品開発までを担当させています。
マーチャンダイザーの仕事は商品を開発して終わりではなく、広告宣伝や店舗での販売促進にも関わる場面が少なくありません。
素材の仕入れや流通ルートの開拓にまで介入するケースも見られるほど、マーチャンダイザーの仕事は幅広いのです。
2.アパレル企業の中でも収入面で優遇されるポジション
売上と業績が流行に大きく左右されるアパレル業界ではマーチャンダイザーの役割が非常に大きいため、社内でも給与面で優遇されている例が少なくないものです。
百貨店やスーパー業界も含め、未経験の新入社員が入社間もない段階でマーチャンダイザーを担当するということはほとんど有り得ません。
マーチャンダイザーに起用されるほどの社員は社内で相応の経験を積んできた中で、他の社員よりも抜きん出た実力が認められるようになった人です。
アパレルメーカーの場合は、社内のデザイナーやパタンナーといった部署の社員からマーチャンダイザーに抜擢されるケースも少なくありません。
アパレルメーカー社員全体の平均年収は約400万円と推定されますが、大手メーカーのマーチャンダイザーになると600万円以上を稼いでいる人も増えてきます。
マーチャンダイザーとしての実績を武器に好条件の企業へと転職した場合、さらに高収入を実現させることも可能です。
3.能力が数字に表れるためプレッシャーもきつい仕事
アパレルメーカーの中でも給与面で優遇されているだけに、マーチャンダイザーは誰でも簡単に手の届くポジションではありません。
社内で実績を積んでマーチャンダイザーとしての役割を与えられるようになったとしても、結果が出せなければ責任を追及される立場です。
マーチャンダイザーの仕事ぶりは売上や収益などの形ではっきりとした数字に表れてくるため、そうした成果が出せずに苦しんでいる人も少なくありません。
アパレルメーカーの売上はブランド間の競争に加え、天候なども含めた景気動向によっても大きく左右されてきます。
単に流行を追い求めるだけではなく、ブランドを支持する顧客の潜在的な要望を具体的な形にするぐらいの販売戦略をマーチャンダイザーは練っていかなければなりません。
ファッションが好きでアパレル業界に就職しながら、マーチャンダイザーを任されるようになると数字に追われる中で大きなプレッシャーと戦う毎日を過ごすことになります。
4.企画が当たってヒット商品を生み出せば大きな達成感
アパレルマーチャンダイザーには当然のことながら卓越したファッションセンスが欠かせませんが、売上分析や予算管理なども仕事のうちに入るため数字に強い点も資質の1つとして求められます。
商品の企画・開発に当たっては発想力や分析力も必要となるだけに、優れたマーチャンダイザーはどのアパレルメーカーも喉から手が出るほど欲しがる人材です。
素材の仕入れから生産ライン・販売部門まで含め、部門横断的に活動するマーチャンダイザーにはコミュニケーション能力も要求されてきます。
そうした高い総合力を持つアパレルマーチャンダイザーはヒット商品を多く生み出し、流行の仕掛け人となってアパレル業界をリードしてきました。
自身が手がけた商品がヒットを記録して売上げアップという形で成果が数字に表れれば、マーチャンダイザーは社内の誰よりも大きな達成感を味わうことができます。
5.アパレル企業の総合職や営業・販売で経験を積むことが必要
アパレルメーカーの中でマーチャンダイザーに取り立てられる道は1つではなく、さまざまなルートが考えられます。
大手のアパレルメーカーには社員が総合職や技術職・一般職に分類されており、本部に総合職として採用された人は将来マーチャンダイザーになれる可能性が技術職や一般職よりも高いものです。
本部で営業やバイヤーの仕事に従事しながら経験を積み、実力が認められてマーチャンダイザーに昇格するというのが最も一般的なキャリアアップのコースとなります。
一方ではデザイナーからマーチャンダイザーに転身した例や、小規模のアパレルブランドでは一般職の販売員から店長を経て本部に異動されマーチャンダイザーになった例もあります。
そうした店では仕入れ担当のバイヤーとマーチャンダイザーを兼務している人の例も多く見られます。
まずは販売員としてしっかり経験を積んでバイヤーや店長への昇格を目指すことが、マーチャンダイザーになるための第一歩です。
分析力と発想力が必要なアパレルマーチャンダイザー
デザイナーやパタンナーだけでなく、営業スタッフや販売員まで含めた多数の社員を統率するだけのリーダーシップがアパレルマーチャンダイザーには求められます。
素材の仕入れからデザインと生産・広告宣伝・販売に至るまでの全工程をマーチャンダイザーがプロデュースすることで、魅力的なアパレル商品が生み出されているのです。