
ワープロソフト「一太郎」や日本語変換システム「ATOK」で知られる株式会社ジャストシステムは、日本を代表するソフトウェア開発会社です。
そんなジャストシステムの仕事内容や社員の平均年収について紹介します。
[ad#ad-1]
1.個人向けソフトから法人向けサービスまで開発・販売
ワープロソフトと言えば現在ではマイクロソフト社のWordが標準のようにして多くの企業や個人に使われていますが、かつては一太郎が日本語ワープロソフトの分野で圧倒的なシェアを誇っていました。
現在ではシェアの大半をWordに奪われていますが、かな漢字変換機能をその一太郎から切り離す形で単体販売されている日本語変換システムのATOKは現在も根強いがあります。
Web制作ソフトとして定番の評価を得ているホームページ・ビルダーも、現在はジャストシステムが開発から販売までを手がける主力商品の1つです。
1985年に一太郎の最初のバージョンを発売して以降個人向けソフトの分野で高い評価を得てきた一方で、ジャストシステムは法人向けサービスやシステムの分野へと事業を広げてきました。
一太郎も官公庁や教育機関で多く利用されてきましたが、学習・授業支援ソフトのジャストスマイルに代表される教育分野は全国8割の小学校に導入されてきた実績を持つのです。
2.エンジニアやUXデザイナーなどが活躍
いわゆるIT企業の中でもジャストシステムはソフトウェア系企業に該当しますが、以上のような事業展開を見るとシステムインテグレーター企業の性格も持ち合わせていることがわかります。
個人向けパソコン市場がむしろ縮小に向かう中、法人向けサービスやシステムを多く手がける形でジャストシステムは時代の変化に対応してきたのです。
そうした事業展開を支える社員はエンジニア・UXデザイナーといったIT企業ならではの専門職と、企画・営業分野で活躍する総合職・事務職の2種類に大きく分けられます。
このうちシステムエンジニア・Webサービスエンジニア・NLPエンジニアといったエンジニア職は事業の根幹を支える存在で、教育系サービスからスマートフォンアプリまで多様なソフトウェアの開発を担当しています。
UXデザイナーは商品コンセプト立案やUIデザインなど、ソフトウェアの使いやすさを考慮したデザイン面を設計するのが主な仕事です。
3.IT業界の中でも高水準の社員平均年収
IT企業には小規模のベンチャー企業が多い関係で業界全体の平均年収も把握しにくい面はありますが、IT企業特有の職種で言えばシステムエンジニアの平均年収が約600万円と言われています。
プログラマーになると平均年収も500万円以下に下がり、ネットワークエンジニアも同様の水準と推定されます。
その点でジャストシステムの社員は平均年収が800万円以上に達し、社員の平均年収に大きな格差が見られるIT企業の中でも相当な高水準です。
新卒採用の場合の初任給は大卒で約22万円、院卒以上で約24万円となっており、一般のIT企業と比べてもそれほどの違いはありません。
一方でジャストシステムはボーナスが多く支給されることで知られており、日本経済新聞社によるボーナス調査では上位の常連となっています。
業績好調な場合でも株主への配当を増やす以上に、社員に利益を多く還元するという会社の方針が窺えるデータです。
4.進歩を続けるIT業界で働く大変さ
IT業界では次から次へと新しい技術や画期的なアイデアを実現させたサービスが登場し、企業間で激しい競争が繰り広げられています。
短期間で急速に発展を遂げた成長産業だけに企業の再編や吸収合併も頻繁に行われており、業界の先頭を走っていた企業が10年後には姿を消すような例も珍しくありません。
そうした中で30年以上という長きにわたってソフトウェア業界で生き残ってきたジャストシステムだけに、社員にも常に最新の動向を把握しながらライバル他社の一歩先を行く発想力が求められます。
日本語変換機能に磨きをかけたATOKも一度開発して終わりではなく、時代の要請に合わせて絶えず進化を続けなければなりませんでした。
ジャストシステムで働く社員の中でもソフトウェア開発を手がけるエンジニア職は特にそうした厳しい矢面に立たされるだけに、どれだけ経験を積んでも勉強と情報収集を欠かすことができません。
5.商品開発力の高さが最大の強み
ジャストシステムのようなIT企業を就職先に選ぶ際には、将来性も含めた収入の安定性から企業を評価する観点も必要になってきます。
実際にソフトウェアの開発を手がけてきた日本メーカーの中には、厳しい競争の中でシェアを落として消えていった企業の例も少なくありません。
その点でもジャストシステムは一太郎やATOKを開発してきた老舗メーカーとしての強力なブランド力を持ちます。
何万人もの社員を抱える大手電気機器メーカーなどと比べると、ジャストシステムは従業員数が300人を上回る規模に過ぎません。
それでも社内には大手企業に負けないソフトウェア開発技術と商品開発ノウハウが蓄積されており、社員が安心して働ける環境も整備されています。
ジャストシステムは通信教育システムなど社会への貢献度が大きいソフトウェアも多く開発しているだけに、社員にとってはそうした事業に参加できる点もこの会社で働く魅力の1つです。
伝統の開発力・技術力が特徴の株式会社ジャストシステム
日本のソフトウェア業界を長く牽引してきたジャストシステムも、2000年代半ばには赤字に転落して苦境に陥った時期があります。
V字回復の原動力となったのは、一太郎とATOKを生み出した伝統の商品開発力でした。
事業の主力は法人向けシステムに移行しつつありますが、そうした手堅い経営が社員の安定収入に結びついているのです。